元関脇豊ノ島の井筒親方(37)が、NHK大相撲中継で初めて解説を務めた。黒のスーツ姿で、幕内取組から向正面のブースに入った。相撲の技術にも話術にも長けた親方らしく、的確に取組を分析していった。

同じ時津風部屋の弟弟子2人については、現状を詳しく伝えた。連敗中の西前頭筆頭の豊山については「相手に直線的に圧力をかけるのが魅力ですが、圧力が上に抜ける。本人にはすぐにできるようなもんじゃないから、来年、再来年にできるようになればいいと伝えています」と説明。関脇正代には「前に出るのが正代の相撲かといえばそうでないが、前に出る力がついて体も大きくなった。今場所はいけるだろうと最初から私は思っていました」と指摘した。

解説を終えた井筒親方は「相撲に正解はないですから、自分が思っていることを言いました。『やせた』と言われましたが、ブースの壁が黒いから、そう見えただけですよ」と振り返った。それでも昨年の九州場所で自己最高の167キロまで増えたが、現在は142キロほどだという。

井筒親方の解説について、ツイッターなどSNSには「解説がお上手」「わかりやすく、的確な解説が素晴らしい」という投稿が相次ぐなど、解説としても好スタートを切った。