「大関正代」が四字熟語で生き様を示す。大相撲秋場所で初優勝を果たし、大関昇進を確実にした関脇正代(28=時津風)が29日、報道陣の電話取材に応じた。

30日に行われる、11月場所(8日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を経て、大関昇進伝達式が行われる。同式で述べる口上について「今後の自分の生き方」を示す、四字熟語を用いることを明かした。

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初優勝から2日。祝福の嵐は収まり、正代は「連絡も落ち着いた」という。しかし、同時に「また緊張感が出てます」とポツリ。翌日の番付編成会議と臨時理事会で大関昇進が承認されれば、昇進伝達式が行われる。優勝が懸かった秋場所千秋楽の前夜は2時間しか寝られず。その時と比較して「いい勝負かも」と、すでに高い緊張感に包まれていた。

注目の口上では、四字熟語を用いる。28日にオンラインで行われた優勝一夜明け会見後に、伝達式で述べる口上を決めたという。「4文字熟語です。今後の自分の生き方に当てはまる言葉」を、3つの候補から選択。師匠の時津風親方(元前頭時津海)からも「いいんじゃない」とお墨付きをもらった。「(当日は)緊張すると口の中が渇くからずっと水を飲んでるかもしれない」と話し、報道陣を笑わせた。

午前9時開始の理事会後の伝達式は、日本相撲協会の公式YouTubeチャンネルで生配信されることになった。これで地元・熊本のファンも伝達式の様子を見ることが可能に。その熊本・宇土市では、祝賀パレードの準備が進んでいる。関係者によると、パレードの場所は宇土市役所から宇土市民体育館までの約1キロ間。新型コロナウイルスの影響や、正代の予定などを考慮して開催される予定で「どこかで時間をつくりたい」と凱旋(がいせん)パレードを心待ちにした。 「まずは明日の伝達式を終えてから」。今後の相撲人生を期した四字熟語の口上で晴れの舞台を務めあげ、大関としての第1歩を刻む。【佐々木隆史】

◆四字熟語を使った大関昇進時の口上 初代貴ノ花、北の湖、千代の富士、今年の朝乃山は「一生懸命」というシンプルな四字熟語を入れてきた。難解な四字熟語の代表例は、貴花田の「不撓不屈(ふとうふくつ)」や貴ノ浪の「勇往邁進(まいしん)」、琴奨菊は「万理一空」。四字熟語ではないが、近年では11年九州場所後に稀勢の里が「大関の名を汚さぬよう、精進します」と簡潔に述べた。