大相撲の大関朝乃山(26=高砂)が、11月場所(8日初日、東京・両国国技館)後に定年を迎える師匠の高砂親方(元大関朝汐)へ感謝の思いを口にした。28日の稽古後、報道陣の電話取材に対応。入門から5年近く指導を受けた師匠について「おおらかな親方。(指導では)あまりごちゃごちゃ言われないので、自分で気付いて勉強させられる」と振り返った。

初優勝を果たした昨年夏場所、大関昇進を決めた3月の春場所の千秋楽で「おめでとう」と声をかけられ、握手を交わしたことが印象に残っているという。「負けたときは厳しかった。(厳しかったときの思い出は)指導しかない」。厳しい指導で大関まで導いてくれた師匠のためにも、11月場所に込める思いは強く「最後の場所。結果は後からついてくる」と、淡々と調整を重ねている。

この日は四股やすり足などの基礎運動に加えて、部屋の幕下力士を相手に計20番相撲を取った。同じ学生相撲出身の正代が大関昇進。「負けたくない気持ちも出てくる。切磋琢磨(せっさたくま)して頑張っていきたい」と気持ちを高めた。