東前頭2枚目の宝富士(33=伊勢ケ浜)が、大関朝乃山を上手投げで下した。

近大の後輩に「そんなに負けてたんですか」と過去1勝7敗と圧倒されていた。けんか四つで「いつも右を差される」。この日も差し手争いで右差しを許したが、迷わず左上手をつかみ土俵際でうまく体を回しながらの投げを決めた。「体が動いてよかった。あそこは投げしかないと思った」と振り返る。

「対戦成績よくなかったんで、素直にうれしいです」。右四つ対策も「部屋には照ノ富士関とか、右四つが強い力士がいるんで」と稽古でつかんできた。4日目の貴景勝に続き、2大関を撃破し3勝3敗の五分。「いい相撲がとれている。この調子でいけたら」という味わい深いベテランが波乱を演出した。