大相撲の大関正代(29=時津風)が1日、初場所中にマージャン店に出入りするなど新型コロナウイルスのガイドライン違反が判明し、日本相撲協会を退職する意向だという師匠の時津風親方(元前頭時津海)について言及した。

都内の部屋で初場所後初めての稽古を終えて報道陣の電話取材に応じ、一連の騒動について「とても残念に思いますけど。(時津風親方の処分など)それはもう、協会の方針に従うだけなんで。どんな結果であろうと協会の決定に従って頑張っていけたら」と受け止めた。

時津風親方の処分は今後、事実関係を調査したコンプライアンス委員会が処分案を理事会に答申し、それを受けて理事会で決まる。昨年9月には友人と宮城県に旅行。ゴルフコンペに参加しガイドライン違反となり「委員」から「年寄」への2階級降格処分を協会から科された。

今回が2度目のガイドライン違反で解雇を含めた厳罰は必至とみられるが、関係者の話によると同親方は処分内容にかかわらず協会を去る姿勢という。

正代によると、師匠はこの日の稽古にも顔を出したという。初場所後に大部屋で正代ら力士が集められ、時津風親方から直接謝罪を受けた。「謝罪込みの詳しい説明というか。それ(処分)が出るのを待っている状況だ、みたいな感じでした」。

初場所で千秋楽まで優勝争いに加わった正代を含む時津風部屋の力士は、場所中に師匠が部屋にウイルスを持ち込んでいれば、健康面や初場所の出場可否に影響しかねなかった。

部屋の雰囲気について正代は「1月場所も、みんな結構成績が良かったので、みんな稽古以外でも自主的にトレーニングだったりとか、みんなで取り組んできている。その(処分の)結果は分からないですけど、いい方向に流れはきているので。(師匠の騒動による部屋の雰囲気は)変わりないとは思うんですけどね。とりあえず、結果が出ないとですね。どうしたものか」と、複雑な心境を明かした。

師匠の処分なども気になる一方、自身は春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けて稽古を重ねるしかない。

前日1月31日は17年に37歳で亡くなった、当時間垣親方の時天空(元小結)の命日。東農大の先輩で、正代は付け人も務めていた。「胸を出してもらった経験は、今の相撲にも生きている。厳しかったですね。その当時は口うるさく感じたが、今、関取になると、ああそうだったんだなと感じています。(時)天空関が病気と闘っているところを見て、自分たちも天空関に教えてもらった者として、成績を残そうというか、守ろうという気持ちは、自分も含めて他(の力士)もなった」と兄弟子をしのんだ。

初場所では11勝を挙げて初めてのかど番を乗り越えた。来場所に向けて「かど番にならないように頑張りますよ。いや、もう、あの経験は、病みそうになったので」と冗談を交えて苦笑い。「(かど番の経験は)全然マイナスではないし、絶対にプラスに働いてくれるとは思う。けがとかも11月場所で初めて経験した。ケアをして、けがが少ない体を作っていけたら」と意気込んだ。