大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)で、17年秋場所以来の大関復帰を目指す関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が16日、東京・江東区内にある部屋での稽古後、報道陣の電話取材に応じた。

この日は宝富士や照強の関取衆らと「まあ20~30番ぐらい」(照ノ富士)の申し合い稽古で汗を流し「初日がまだ全然、遠いのでちょっとずつ調整していければいい」と話した。2度目の大関とりにも「いつも通りに、ちゃんと準備して出れば、1日1日の積み重ねで結果は後からついてくる。ダメだったら自分の力不足だし、良かったら良かったな、という感じ。別にどうこうという深い思いはないです」と気負うことなく話した。20日から関取衆が集まる合同稽古も、誰が来るかなどに関心は寄せるものの、現状では「まだ特に考えていない。そのときによります」と未定だ。

励みになることもある。初場所の大栄翔(27=追手風)の初優勝だ。自分が大関昇進を果たした23歳のころを思い起こすように「大関だった頃は自分が一番(上位陣で)若かった。やっと自分の近い年の人たちが(今は)上位にいて励みになる。そのときに自分の方が(番付が)上だったわけだから、その思いもプライドを持ってやっている」と自負心を示した。

11日には同区内の富岡八幡宮で、3年前の2月15日に婚姻届を提出し結婚したツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式。“結婚記念日一夜明け”に「ちゃんとした式とか披露宴をしてあげたいな、と思っていた。コロナの影響で披露宴はできなかったけど、ちゃんとした式を挙げられて、ちょっとでも喜んでくれたかなと思います。これだけ騒がせているんだから、ちゃんと結果を出さないと」と“一家の主”の顔ものぞかせた。

糖尿病も患ったことから、新婦の手料理も「医者から言われた通りのもの(メニュー)」だという。そんな伴侶の支えもあって臨む大関とりの春場所。両横綱の出場も待望されるが「別に誰とやりたいとかはない。誰が相手だろうと精いっぱい、ぶつかっていくだけ」と勝負師の顔に戻り力強く語った。