前日、2敗目を喫した小結高安(30=田子ノ浦)が、敗戦のショックを引きずることなく、北勝富士(28=八角)を破り10勝目。単独トップの座を守った。

立ち合いは両者ほぼ互角。ただ、この日も踏み込んだ高安が相手の出足を、余裕を持って受け止めたように見えた。右からのおっつけで一度、北勝富士の体勢を崩す。なおも出てくる北勝富士の左脇を、再度の強烈におっつけて、相手の体を泳がせた。ほぼ横向きで体勢を戻す北勝富士を攻め続け危なげなく押し出した。

八角理事長は「踏み込みが良かった。右からの攻めも良かった」と完勝を分析した。初優勝へ正念場の残り3日。テレビ画面に映る高安の姿に「内心はどうなんだろう…。見た目は落ち着いているように見える」と察した。残り3日に求められることには「とにかく1歩踏み込んで押し込む。当たり前のことをやることだろう」と指摘。ただ「1差は有利とは言えない?」の問いかけには「そうだろう」とだけ答えた。