関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、大関貴景勝(24=常盤山)を冷静にさばき、3度目の幕内優勝を達成。確実にした大関復帰に花を添えた。

負ければ優勝決定ともえ戦に持ち込まれる一番は、貴景勝の突き押しを下からあてがい、捨て身ともいえる小手投げにも冷静に対処。最後はお株を奪うように、もろ手でドンと突いて土俵下まで押し出した。

精神的にも安定した状態を、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「押し込まれても焦らなかった。冷静だった。辛抱勝ちでしょう」と評した。逆に番付上の貴景勝の心理を読むように「貴景勝の方が焦って小手に振った。あそこは(照ノ富士が)はたくのを待つぐらいの我慢がほしかった。勝負を焦った」と解説した。

これで大関昇進は確実。現状では3大関より力が上であることを証明した場所でもあった。「今場所は3大関に勝ってる。正代はいっぺんに持っていったし、朝乃山には相撲を取らせなかった。そして今日。体さえ良ければ、経験からしても一番、安定している」と同理事長。今後については「膝のケガとかで大関から落ちたから、それに気をつけさえすれば立派に大関を務められる。膝の強化と体調管理。そこに気をつけてほしい」と期待した。