大相撲の関脇隆の勝(26=常盤山)が15日、同じ千葉県柏市出身で3月1日に死去した元関脇麒麟児の垂沢和春さんについて言及した。都内の部屋での稽古後、代表取材に応じ「(今月13日の訃報は)知り合いから連絡が来て、すぐニュースを見て、亡くなったと知りました」と話した。

18年3月の定年まで北陣親方として協会に所属していた間に「2、3回話したけど、向こうも(同郷だとは)知っていないと思う」と隆の勝。柏市出身で大関はいない。新関脇から3場所連続で勝ち越している大関候補は「(柏市出身)第1号になれるように」と、大関昇進に意欲を示した。

3月の春場所では6日目まで5勝1敗と好調だったが、中盤戦から終盤戦にかけて失速し、8勝止まりに終わった。「4連敗したときはメンタルもどんどん悪い方向に進んだ。あきらめかけたことも若干あった。自分の相撲が分からなくなっていった」と、精神面で課題を残したという。

自身より番付が上の朝乃山、正代の2大関、大関復帰を決めた照ノ富士の3人から白星を挙げられず、地力の差を感じた。「立ち合いでは(差を)感じなかったが、そのあと動きで落ち着いて対応されるので、余裕がなかった。その余裕があるから大関なのかな、と」。まだ上位に定着して1年ほど。「壁にぶち当たっていかないと強くならないし、いい機会、いい経験。勝ち越すまでの相撲内容をしっかりしないと。大関(相手)だから負けてもいいや、ではなくて、大関を倒してやろう、という気持ちの強さがもっと必要。今まで以上にもっと必要だと思った」と前を向いた。