激しい攻防で館内を沸かせた、見応えたっぷりの明生(25=立浪)-若隆景(26=荒汐)の一番を、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が褒めた。

立ち合いから押し込んだ明生を、しのいだ若隆景が得意のおっつけ、はず押しで攻め返す。最後は、やや足がそろったのか、明生が右から突くようには若隆景をたき込んで勝負は決した。

互いに力を出し切った一番に同理事長は「今後、楽しみな力士だ。こうゆう相撲を取れば三役はもちろん、その上も狙っていける。体は小さいけれど、押しが安定してくると自分の型が出来る。そうした稽古を積めば安定感が出てくる」と期待の言葉を並べた。

それだけに余計に残念に映ったのが、大関貴景勝(24=常盤山)に初挑戦した幕内最年少の豊昇龍(21=立浪)だった。立ち合い、右上手狙いで右へ変化。だが、あっさり読まれはたき込まれて土俵にバッタリ。安易な変化に同理事長は「残念だね。相撲を簡単に考えている。大関と当たる地位まで上がったのだから、必死に取るという気構えがないと。こういう負け方は将来につながらない」と苦言。おじの元横綱朝青龍との、同時期での比較でも「(幕内に)上がってきた頃と体重は変わらないでしょう。(朝青龍は)激しい相撲を取っていた」と若々しさを求めていた。