照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、昭和以降では初めてとなる大関復帰場所での優勝を果たした。優勝に王手をかけた千秋楽の結びで大関貴景勝に敗れ、12勝3敗と並ばれた。しかし。貴景勝との決定戦を制して、2場所連続4度目の優勝を決めた。

師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)によると、場所前の稽古では古傷である膝の状態が上向かず「稽古はちょっと足りてない」と明かしていたが、不安を感じさせない15日間だった。

大関として初めての優勝を果たし、7月の名古屋場所(4日初日、ドルフィンズアリーナ)で綱とりに挑戦する。春場所限りで鶴竜が引退したため、横綱は白鵬ただ1人。その白鵬は、来場所に進退を懸けて臨む意向を示している。注目必至の名古屋で、不屈の男は最高位を射止める。

千秋楽の取組を写真で振り返ります。

大相撲夏場所 全取組詳細

八角理事長(手前)から総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・鈴木正人)
八角理事長(手前)から総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・鈴木正人)
伊勢ケ浜審判部長(手前)から優勝旗を受け取る照ノ富士(撮影・鈴木正人)
伊勢ケ浜審判部長(手前)から優勝旗を受け取る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

幕内

大相撲夏場所千秋楽の幕内土俵入り(撮影・河田真司)
大相撲夏場所千秋楽の幕内土俵入り(撮影・河田真司)

琴ノ若(7勝8敗)下手捻り石浦(7勝8敗)

☆石浦 流れでいいところがとれたので自分の相撲になった。(東前頭16枚目で7勝目)大きいと思うが、それより今日はいい相撲をとろうと。それだけで臨めたのがいい結果につながったと思う。

石浦(左)は下手ひねりで琴ノ若を破る(撮影・小沢裕)
石浦(左)は下手ひねりで琴ノ若を破る(撮影・小沢裕)
琴ノ若(上)を下手ひねりで破る石浦(撮影・鈴木正人)
琴ノ若(上)を下手ひねりで破る石浦(撮影・鈴木正人)
琴ノ若(下)を下手ひねりで破る石浦(撮影・鈴木正人)
琴ノ若(下)を下手ひねりで破る石浦(撮影・鈴木正人)

大奄美(7勝8敗)突き落とし(6勝9敗)

★輝 あせりすぎですね。もっとゆっくり体をぶつけながら出たらよかった。全体的に攻めの甘い相撲が多かった。一から自分の相撲を見直して、また来場所に向けて頑張りたいです。

大奄美(手前)は突き落としで輝を破る(撮影・小沢裕)
大奄美(手前)は突き落としで輝を破る(撮影・小沢裕)

志摩ノ海(7勝8敗)寄り切り千代翔馬(8勝7敗)

☆千代翔馬 (立ち合い変化で勝ち越し)今日はどうしても勝ちたかった。土俵に上がる前は突っ張っていこうと思ったが、最後の仕切りで決めました。

★志摩ノ海 (相手が立ち合い変化)何でもしてくるタイプだったので、悔いの残らないように当たっていこうと思っていた。

千代翔馬(左)は志摩ノ海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
千代翔馬(左)は志摩ノ海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

千代丸(8勝7敗)押し出し宝富士(7勝8敗)

☆宝富士 あわてたら相手の思うツボなんで、しっかり相撲をとって勝てたのでよかった。(7勝8敗に)少しでも来場所に向けて番付が落ちないようにと思っていたんで、結果としてよかった。

宝富士(手前)に押し出しで敗れる千代丸(撮影・河田真司)
宝富士(手前)に押し出しで敗れる千代丸(撮影・河田真司)

栃ノ心(5勝10敗)寄り切り魁聖(9勝6敗)

☆魁聖 立ち合いが遅れた分、向こうがまわし取れなかったのがよかった。勝ち越せるかヒヤヒヤしたが、何とか勝ち越せてよかったです。

魁聖(左)は寄り切りで栃ノ心を破る(撮影・小沢裕)
魁聖(左)は寄り切りで栃ノ心を破る(撮影・小沢裕)

英乃海(5勝10敗)掛け投げ天空海(5勝10敗)

☆天空海 (掛け投げは)前に圧力かけながら、相手が出てきてくれたんでうまく投げられた。(今場所は)下半身がバタバタで内容が悪かった。どう対処するか勉強しないと。

★英乃海 (自己最高位の場所を終えて、スタミナ面は)余力なしでした。ゼロです。途中で足も痛めましたし、いつも以上に疲れた。連敗グセと気持ちの切り替えがうまくできるようになりたい。自分の足りないところも分かったし、そこも稽古して補っていきたい。

英乃海(左)を掛け投げで破る天空海(撮影・鈴木正人)
英乃海(左)を掛け投げで破る天空海(撮影・鈴木正人)

千代大龍(10勝5敗)はたき込み阿武咲(7勝8敗)

☆千代大龍 (立ち合い変化で17年名古屋場所以来の2桁白星到達)あの内容だと「ふざけんな」と言われるかもしれないけど、1桁と2桁は差がすごい。さっき聞いたら4年ぶり。それに関しては驚いている。本当にうれしい。周りの応援してくれる後援者の皆様にも喜んでいただけると思う。

★阿武咲 (立ち合い)変化は頭に入ってなかったですね。自分が弱かっただけ。また出直します。

阿武咲(左)をはたき込みで破る千代大龍(撮影・河田真司)
阿武咲(左)をはたき込みで破る千代大龍(撮影・河田真司)

霧馬山(6勝9敗)寄り切り剣翔(4勝11敗)

★剣翔 体調が悪い中、15日間取り切れた。腰は慢性のものだが、場所中に脇腹を肉離れ。言い訳になりませんが、今日もひどくならなくてよかったと思う。

剣翔(左)を寄り切りで破る霧馬山(撮影・河田真司)
剣翔(左)を寄り切りで破る霧馬山(撮影・河田真司)

碧山(4勝3敗8休)下手投げ照強(7勝8敗)
照強(右)は碧山を下手投げで破る(撮影・小沢裕)
照強(右)は碧山を下手投げで破る(撮影・小沢裕)
幕内取組前半を終え、新型コロナウイルス感染拡大防止を呼びかける懸賞旗スタイルの告知旗が土俵を回る(撮影・河田真司)
幕内取組前半を終え、新型コロナウイルス感染拡大防止を呼びかける懸賞旗スタイルの告知旗が土俵を回る(撮影・河田真司)

豊昇龍(7勝8敗)寄り倒し翔猿(5勝10敗)

★翔猿 苦しかったですね。稽古が足りなかったんだと思います。前に出る力をもっとつけて頑張ります。

豊昇龍(左)は翔猿を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)
豊昇龍(左)は翔猿を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)

明生(8勝7敗)小手投げ隠岐の海(9勝6敗)
明生(左)を小手投げで破る隠岐の海(撮影・河田真司)
明生(左)を小手投げで破る隠岐の海(撮影・河田真司)

玉鷲(7勝8敗)押し出し北勝富士(6勝9敗)

★北勝富士 首に電気が走って力が入らなかった。負け越した(6勝9敗)が、最初の6連敗からここまで星を伸ばせたのは自信になります。

北勝富士(右)を押し出しで破る玉鷲(撮影・河田真司)
北勝富士(右)を押し出しで破る玉鷲(撮影・河田真司)

若隆景(9勝6敗)引き落とし琴恵光(9勝6敗)

☆若隆景 (技能賞を獲得し)うれしいですね。自分でも力がついていると自信がついた。この番付で勝ち越せたのは手応えにつながった。(来場所に向けて)今日もだけど足が出ずに負ける相撲が何番かあった。足が出る相撲をできるようにしたい。

若隆景(手前)を引き落としで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)
若隆景(手前)を引き落としで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)

妙義龍(6勝9敗)突き出し大栄翔(6勝9敗)

☆大栄翔 最後に自分の相撲がとれたんでよかったと思う。まだまだ弱い部分がたくさんある。稽古が足りないんで、もっと稽古していきたい。

大栄翔(左)は突き落としで妙義龍を破る(撮影・小沢裕)
大栄翔(左)は突き落としで妙義龍を破る(撮影・小沢裕)

御嶽海(10勝5敗)押し出し逸ノ城(9勝6敗)
逸ノ城(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)
逸ノ城(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)
三役そろい踏みする、左から高安、照ノ富士、正代(撮影・河田真司)
三役そろい踏みする、左から高安、照ノ富士、正代(撮影・河田真司)
三役そろい踏みする、左から貴景勝、隆の勝、遠藤(撮影・河田真司)
三役そろい踏みする、左から貴景勝、隆の勝、遠藤(撮影・河田真司)

高安(10勝5敗)はたき込み隆の勝(5勝10敗)

☆隆の勝 最後に勝てて終われた。いろいろ反省というか勉強になった場所。(原因は)稽古不足。膝をけがして十分な稽古ができなかった。来場所は成績(今場所5勝10敗)が逆になるようにしたい。

高安(右)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・河田真司)
高安(右)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・河田真司)

正代(9勝6敗)押し出し遠藤(11勝4敗)
正代(右)に押し出しで敗れる遠藤(撮影・鈴木正人)
正代(右)に押し出しで敗れる遠藤(撮影・鈴木正人)

照ノ富士(12勝3敗)突き落とし貴景勝(12勝3敗)
照ノ富士(左)を突き落としで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)
照ノ富士(左)を突き落としで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)
照ノ富士(下)を突き落としで破った貴景勝(撮影・鈴木正人)
照ノ富士(下)を突き落としで破った貴景勝(撮影・鈴木正人)

優勝決定戦


照ノ富士はたき込み貴景勝
優勝決定戦で貴景勝(手前)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)
優勝決定戦で貴景勝(手前)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)
優勝決定戦で貴景勝(左)をはたき込みで破った照ノ富士(撮影・鈴木正人)
優勝決定戦で貴景勝(左)をはたき込みで破った照ノ富士(撮影・鈴木正人)