日本相撲協会は11日、都内で臨時理事会を開き、協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反した大関朝乃山(27=高砂)に出場停止6場所と6カ月50%の報酬減額の懲戒処分を下した。

名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)はかど番で迎えるため、大関からの陥落が決まった。さらに出場停止6場所で、三段目以下に陥落することが濃厚となった。また、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)には、3カ月20%の報酬減額の懲戒処分を下した。

朝乃山は緊急事態宣言中の夏場所前に複数回キャバクラに行くなどし、ガイドラインに違反した。夏場所中に行われた協会の調査に1度は否定したが、その後に認め、同場所を途中休場。事実関係を調査したコンプライアンス委員会が八角理事長(元横綱北勝海)に処分案を答申し、臨時理事会で正式決定した。

師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「このたびは朝乃山の新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン違反により、日本相撲協会、関係各位、全国の応援して下さる皆様方に多大なるご迷惑とご心配をお掛けし、心よりお詫び申し上げます。大関という重責を担う立場でありながら自覚の無い軽率な行動をさせてしまったことは、師匠として私の不徳の致すところでございます。朝乃山本人も決定した処分を真摯に受け止めており、自分の過ちを猛省し、一から出直して参ります。これから信頼回復に向け、一生懸命努力精進致す所存でございます。今後とも、益々のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」とコメントした。

◆日本相撲協会の処分 賞罰規定の第3章「懲戒」に定められている。親方、力士ら協会員への処分は軽い順にけん責、報酬減額、出場停止、業務停止(協会事業への従事停止)、降格、引退(退職)勧告、解雇の7項目。旧規定で最も重い除名は、公益財団法人移行後の現行規定からなくなった。暴力禁止規定による処分も同じ7項目が定められている。