大相撲名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)を、返り入幕で臨む宇良(29=木瀬)。幕内の土俵での巧みな技に注目が集まる中、もう1つ注目していることがある。それは、必要最小限の物で暮らす「ミニマリスト」としての一面だ。昨年4月からはまり、動画サイトや読書で研究し、服などの断捨離を始めた。新型コロナウイルスの影響により、名古屋場所は昨年3月の春場所以来の地方開催となる。“ミニマリスト”として初めて迎える地方場所への思いを口にした。

-久しぶりに地方場所。送る荷物は制限するのか

宇良 今こそミニマリストを発揮する時。今までのミニマリスト力を試されているような気がします。

-トランクは小さいのを用意しているのか

宇良 物が少ないという考えよりも、使う物が多かったら多かったでいいんです。それが自分が使う物であれば。ただ、地方に移動する時というのは、自分の普段使っている物を段ボールに詰め込むだけ。余計な物がないと、作業スピードが上がります。

荷物は段ボール何個分ぐらいになりそうか

宇良 関取になると他の物が必要になってくるので、段ボール1つというわけにはいかない。何を持って行くのかが明確なのと、忘れ物をしないのが(ミニマリストの)最大のメリット。作業に時間を取らなかったら他の時間に有意義に使えますし。

-以前の地方場所には余計に荷物を持って行っていたのか

宇良 忘れている気がするとか、荷造りに時間が掛かっていたところがある。今回は自信あります。うまく移動できると思います。体を名古屋にすっと移動させるだけです。流れるように。流れるように移動して、後はその環境になじんでいくだけです。

これまでは、持って行ったけど結局使わずに持ち帰った物もあったりしたか

宇良 使わないで持って帰ってきたことよりも、荷物が増えて帰ってきていた。意図的に増えたわけではないんですけど。今回はコロナの関係でそういうことはないと思いますけど。帰ってきた時には、もっと減っているような感じにしたいですね。

ミニマリストとして部屋の片付けを行ってきたことで、気持ちの面も整理されたという。自分が今何をすべきなのかが明確になり、自分に使う時間が増えた。結果、より相撲に集中できるようになり、返り入幕を果たす一因にもなった。これまで培ったミニマリスト力を発揮し、久しぶりの地方場所でも浮かれることなく地に足をつけて臨む。【佐々木隆史】