大相撲九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)に向けた合同稽古が25日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まり、平幕の阿武咲(25=阿武松)が先月30日に現役引退した間垣親方(元横綱白鵬)への“恩返し”を誓った。

関脇御嶽海らを相手に相撲を取って調整。稽古後、代表取材に応じ、合同稽古について「ここから場所モードというか、気持ちを持っていきやすいので、自分の中では結構大事にしているところ」と意義を強調。部屋では唯一の関取だけに、関取衆と肌を合わせる貴重な機会になっている。

秋場所限りで引退した間垣親方とは、相撲界に入る前から縁がある。間垣親方が10年から主催する少年相撲「白鵬杯」の第1回大会に出場し、団体優勝を果たしてメダルもかけてもらった。昨年春場所には3度目の挑戦で初めて勝利。「結局1番しか勝てなかったが、その辺も自分の中でも悔しい思いもあるので、そういう後悔はしたくない。これから先をもっと大事にやっていかないといけない」と対戦を糧にする。今後の活躍が何よりの恩返し。「しっかり頑張っていきたい」と力強く語った。

秋場所は西前頭6枚目で10勝5敗の好成績を収め、来場所は上位総当たりとなり。18年初場所以来の三役復帰を懸ける場所にもなるだけに「しっかり九州場所で星を積んで三役に戻れれば」と意気込んだ。