横綱照ノ富士と大関貴景勝が、互いに譲らず全勝を守った。
貴景勝は新鋭の豊昇龍を押し出した。まわしを取られたが小手に振って持ち直し、粘る相手を土俵外に吹っ飛ばした。勢い余って土俵下に落下した後、古傷の右膝を気にする動きを見せたが、勝ち名乗りの際は違和感なくそんきょした。昨年11月場所以来3度目の優勝に向けて、後半戦も白星で滑り出した。
照ノ富士も結びで大関経験者の高安を撃破し、9連勝を飾った。右上手を取って慎重に相手の出方をうかがい、力強く引きつけて寄り切った。
1敗勢では関脇御嶽海と再入幕の阿炎が勝ち越しを決めた。全勝の2人を1差で追いかける。
ベテランの玉鷲、人気業師の宇良、三役経験者の北勝富士が2敗を守った。
大関正代は遠藤に敗れて5勝4敗となった。
9日目の取り組み模様を写真で振り返ります。
幕内
輝(3勝6敗) | ● | 掛け投げ | ○ | 天空海(5勝4敗) |
松鳳山(2勝7敗) | ○ | 寄り切り | ● | 栃ノ心(2勝4敗3休) |
☆松鳳山「(栃ノ心のかかとが出ていたか)あの状態では見えない。ラッキーだった。もっともっと早く攻めないといけない。2勝7敗なので、今日みたいに粘りながら相撲を取っていきたい」
豊山(3勝6敗) | ○ | 寄り倒し | ● | 佐田の海(6勝3敗) |
魁聖(4勝5敗) | ● | 押し出し | ○ | 北勝富士(7勝2敗) |
千代の国(5勝4敗) | ○ | 突き出し | ● | 照強(3勝6敗) |
千代大龍(5勝4敗) | ● | 引き落とし | ○ | 阿炎(8勝1敗) |
☆阿炎「(9日目の勝ち越しに)うれしいです。立ち合い、呼吸が合わなくて立ち遅れたが、自分らしい相撲がとれた」
千代丸(5勝4敗) | ○ | 寄り切り | ● | 翔猿(5勝4敗) |
琴恵光(1勝8敗) | ● | 下手投げ | ○ | 石浦(4勝5敗) |
☆石浦「ちょっと硬くなっていたが、相手の引きも見えていた。体の状態はいい。あとは気持ちですね。しっかり集中したい」
琴ノ若(3勝6敗) | ● | 渡し込み | ○ | 千代翔馬(5勝4敗) |
宇良(7勝2敗) | ○ | 肩透かし | ● | 碧山(3勝6敗) |
英乃海(5勝4敗) | ● | 押し出し | ○ | 玉鷲(7勝2敗) |
宝富士(3勝6敗) | ● | 押し出し | ○ | 志摩ノ海(6勝3敗) |
妙義龍(2勝7敗) | ● | 押し出し | ○ | 隆の勝(6勝3敗) |
☆隆の勝「自分らしく前に前に出て相撲がとれたのでよかったと思います。よく体が動いてくれた。勝っていると気持ちも楽。いい感じでやれていると思います」
大栄翔(3勝6敗) | ● | 押し出し | ○ | 隠岐の海(3勝6敗) |
若隆景(2勝7敗) | ● | 掛け投げ | ○ | 霧馬山(3勝6敗) |
逸ノ城(3勝6敗) | ● | 押し出し | ○ | 阿武咲(3勝6敗) |
御嶽海(8勝1敗) | ○ | 寄り切り | ● | 明生(4勝5敗) |
豊昇龍(4勝5敗) | ● | 押し出し | ○ | 貴景勝(9勝0敗) |
正代(5勝4敗) | ● | 突き落とし | ○ | 遠藤(5勝4敗) |
☆遠藤「(大関正代に完勝し)体が反応してくれてよかった。コロナ禍で「九州」を感じることは難しいが、会場の雰囲気だけでも感じてのびのびと相撲をとっていきたい」
★正代「(中に)入らせないようにと(意識は)あった。不用意に出過ぎた。(波に乗れないが)そういう場所なのかなと思います。先場所に比べると圧力がないのかなと。期待に応えられるようにしたい」
照ノ富士(9勝0敗) | ○ | 寄り切り | ● | 高安(5勝4敗) |
☆照ノ富士「ちゃんと当たれたので良かったと思います。(一時は合い口の悪い相手だったが)そういうのを意識してもしょうがない」