来年1月の大相撲初場所(9日初日、東京・両国国技館)を自己最高位で迎える人気業師の東前頭2枚目宇良(29=木瀬)が27日、上位総当たりの同場所に向けて「どこから白星を取ったらいいのか分からないが、力を出し切りたい」と意気込んだ。

まさかの“逆質問”だった。都内の部屋での稽古後、報道陣の電話取材に対応。24日の番付発表で、17年名古屋場所の東前頭4枚目を上回る地位に就いたが「(番付は)見ていない。何枚目ですか?」と無頓着。当日は番付表の発送など作業にあたっており、確認する余裕がなかったという。

新三役も見える地位だが「番付は運で上下するもの。それこそ家賃が高い(不相応)と思っている。がらっと変わるところに(自分が)ぴょこっと入ったくらいの感覚」と謙虚な姿勢。11月の九州場所では10勝5敗と2桁白星を挙げて、初の技能賞を獲得した。2022年はさらなる飛躍が期待されるものの「次は下降の1年になるかな」と苦笑い。「人間、常に上がっていくのは難しい。上がった先は落ちていくもの」と“ネガティブ発言”で報道陣の笑いを誘った。

来年6月で30代に突入するが、年齢に関して後ろ向きになることはないという。「(今は)若いときよりも思い詰めた感じがない。この年になっても伸びしろを感じている」。一気に番付を駆け上がった20代前半と比較しても「今の方が気持ちは強い」と断言。「昔は周囲の期待に応えたいという気持ちがあった。今は自分のやるべきことに集中できている」と明かした。

年末は大掃除の季節。「ミニマリスト」として、自室の整理整頓は日頃から行っているだけに「シャッとやって終わり。拭き掃除だけで終わる」と自信たっぷり。「大掃除に1日かけたりする人もいますしね。こういうところで時間を有効に使えますよね」と、余裕を持って年越しを迎える。