西幕下筆頭の19歳、熱海富士(伊勢ケ浜)が最後の7番相撲で涙、涙の勝ち越しを決めた。

十両の琴裕将にもろ差しを許す苦しい流れも、巻きかえて得意の右四つ。左上手を引きつけて寄り倒したが物言い。寄って出た際に熱海富士の左足が踏み越していたと微妙だったが、協議の結果は「先に琴裕将の体がなく」軍配通りとなった。

協議の間は「もう一丁やるぞという思いでした」と言うが、軍配通りに「本当にホッとして。泣きそうになったけど我慢しました」。その勝敗でまさに天国と地獄。取組後の取材対応では涙腺が決壊して、感情のままに号泣した。

2連勝スタートから3連敗で「もうダメかなと思った」。心が折れそうにもなったが、親方衆ら周囲の励ましに奮起した。横綱照ノ富士からは「ここまできたらなるようにしかならない。やってきたことを信じて頑張れ」と激励されたという。「横綱にも応援していただいてありがたいです」。

来場所の新十両昇進を濃厚にした。同じ部屋の十両・翠富士らも出ている飛龍高校から角界入り。185センチ、164キロの恵まれた体で将来期待の逸材は「最後に勝つことができてよかったです」とまた泣いた。

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