「中卒たたき上げ」が、新生放駒部屋の関取第1号となった。日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、島津海(25=放駒)の新十両昇進を決めた。同所でオンライン形式の会見に臨み「まだ実感はないけどうれしい」と心境を語った。

先代師匠の定年に花を添えた。種子島北部の鹿児島県西之表市出身で、12年春場所が初土俵。幕下定着から関取昇進まで時間はかかったが、西幕下2枚目だった初場所中に先代師匠の荒磯親方(元大関若嶋津)が日本相撲協会の定年を迎えた。「もうちょっと前に上がって、上で活躍して花を添える形にしたかったけど、最後こういう形にできて良かった」と喜んだ。

先代から部屋を継承したばかりの放駒親方(元関脇玉乃島)も会見に同席し、新十両昇進の素質は十分と評価。「上がるのは時間の問題だと思っていた。(魅力は)スピードと前に出る力。(兄弟子に関取最年長の)松鳳山という関取がいるのでよくぶつかりで胸を借りていた。そこで力がついてきた。松鳳山も彼を十両に上げたいという気持ちで胸を出していたので本当に感謝。正々堂々、真っ向勝負でファンの方が喜んでくれる相撲を取って欲しい」と期待を込めた。

島津海自身も、日々お世話になっている兄弟子と実現させたいことがある。「十両優勝の決定戦で松鳳山関とやりたい」。将来的な目標は幕内、三役昇進。「たくさんケガがあって、ケガがあった分たくさんの方に支えていただいた。種子島を盛り上げられるように頑張りたい」と意気込んだ。