2場所ぶり7度目の優勝を目指す横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が“勇み足危機”を逃れて、連敗を阻止した。

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西前頭筆頭の宇良に、ヒヤリとさせられた。左で抱えて一気に運んだ土俵際。押し出したかのように見えたが、自身の右足が早いと判断された。軍配は宇良に上がった。協議の結果、行司軍配差し違え。2勝1敗と白星を重ねた。

土俵際の場面について照ノ富士は「余裕はあったので、ちょっと優しさが出ちゃうというか。(宇良の)上に倒れてもいい状態だったんですけど」と説明。押し倒す形になればより安全に勝利をつかめたが、相手にケガをさせない狙いがあったことを示唆した。

前日2日目は大栄翔に金星を許し、早くも初黒星を喫したが「その日の一番に集中してやってますから、過ぎたこととしか考えていない」と気持ちを切り替えていた。

照ノ富士は両膝のケガや内臓疾患などの病気により、大関から序二段まで番付を落とした経験がある。対戦相手の宇良も、膝のケガで幕内から一時は序二段まで陥落した。

2人は、照ノ富士が新横綱だった昨年9月の秋場所で初めて対戦した。その一番は1分32秒の熱戦となり、勝利した照ノ富士は当時、取組後の取材で「よく頑張ってきたなと。同じケガして、序二段まで落ちて。結びで2人で取れたのは良かったんじゃないですか」と、宇良の復活劇をたたえるようなコメントを残していた。また、今回の対戦で照ノ富士の3戦3勝となった。

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