ケガを抱える手負いの横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が、折り返しで3敗目を喫してしまった。押しても差しても馬力相撲に万能な隆の勝(27=常盤山)に、二本差されて一気に押し込まれた。最後は土俵際、右からの投げで隆の勝を振ったが、その前に照ノ富士の左足が土俵を割っており、寄り切りで敗れた。

ある意味、協会トップの不安的中の結びの一番となった。取組前に日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は報道陣の電話取材に「馬力のある相手だから照ノ富士にとっては、やりづらいでしょう。(隆の勝は)差した後も馬力があるから油断できない。まだ足に不安があるから(押されると)体が反応してしまう」と、大栄翔と玉鷲に黒星を喫したように、押し相撲相手に苦戦を強いられている横綱の不安を推察していた。

不安そのままの相撲に、同理事長は「(最後は)足が出たね。下がると、どうしても足の不安が出る。苦しいけど頑張るしかない」と奮起に期待した。取組前には、体調万全でない中、土俵を続ける照ノ富士に「(状態が)悪い中でも一生懸命、必死にやっている。横綱の地位ということ。現時点のあるだけの力でやっているのは立派。いい時ばかりではないから」と横綱経験者としての言葉を送っていた。

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