大関貴景勝(25=常盤山)は、勝ち越しに向けて後がなくなった。

横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)に敗れて、6勝7敗と黒星が先行した。相手の差し手を封じながら、ハズ押し、いなし、はたきを駆使して、前後左右に揺さぶって勝機を見いだした。間合いができた途中、相手の顔の前で両手をたたく「猫だまし」も披露。3連敗中の横綱に“奇襲”も仕掛けた。

さらに低さを生かして何度も押し上げたが、決定打がなく最後は圧力に屈して寄り倒された。

立ち合いの突き放しから一気に勝負を決められず「そんな簡単にいかないと思っている」と淡々としていた。14日目は御嶽海との大関対決。来場所のかど番回避に向けて、勝負の残り2日間となる。