幕内の玉鷲(37=片男波)が5日、電話取材に応じ、同一横綱(照ノ富士)からの4場所連続金星に意欲を見せた。名古屋場所(10日初日、ドルフィンズアリーナ)を前に取材に応じ、「もちろん楽しみにしています。負けないように頑張っていきたい」と意気込みを見せた。

この日は所属する片男波部屋の朝稽古に参加。序二段力士2人と同時に相撲を取ったり、寄りかかった力士を両腕で押し上げるようにスクワットをしたり、大きな綱を2本持って、波を打たせるように持ち上げたり、工夫を凝らした稽古を約1時間こなした。「立ち合いのスピードが遅いので、そこを磨いていけたら」と残る日数で調整に励む。

先場所は9勝6敗と勝ち越し、6日目には同じモンゴル出身の横綱照ノ富士から金星を獲得。これで同一横綱から3場所連属の金星。1965年(昭40)に大豪(元関脇)が栃ノ海から記録して以来57年ぶり、昭和以降では5人目の快挙となった。

今場所でも金星獲得なら4場所連続となり、大きな期待がかかる。玉鷲は「気持ちよく相撲を取りたいといつも思っている。うまさがないので、自分の力を発揮したら星に近づく」と話した。

37歳の鉄人。6月に関取最年長の元小結松鳳山(38)が引退したことにも触れ、「いつも一緒に稽古していたのを思い出す。この間も電話したら『すごい、心が楽になった。(玉)鷲関、頑張ってください』と言っていましたね」と紹介した。続けて「本人が40歳まで続けたかったと言っていたけど、(自分は)見てくれるお客さんに良かったなと思える相撲を取り続けたいと考えていますね」。年齢は気にせず、自分の理想とする相撲を追い求める。

支えてくれる家族のおかげで今があると感謝を惜しまない玉鷲。34歳2カ月で制した19年初場所以来の優勝を目指す。2人の子どもたちに「もう1度優勝を見せたいですね」と名古屋場所への決意を語った。