大関貴景勝(25=常盤山)が、難敵を物ともせず突き落として6勝目を挙げた。初顔合わせの東前頭4枚目の若元春(28=荒汐)に頭でぶつかり上体を起こし、強烈な左を浴びせて両手を地面に付かせた。前日に横綱照ノ富士と2分以上にわたる熱戦を演じた相手だったが、「『今日は今日』と集中してやりました。(立ち合いから)自分はどうやっていくかしっかり考えられた」と納得の表情を浮かべた。

この日は元横綱2代目若乃花の下山勝則氏が、16日に死去したという訃報が流れた。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)の兄弟子の訃報に接したことについて問われ、「師匠のしこ名は、横綱隆の里関と若三杉関からいただいたというのは聞いたことあります」と思いをはせた。トップと1差で追う展開で勝負の後半戦に向かう。「勝ちたいです。一生懸命頑張ります」と短い言葉ながら、強くはっきりと決意を述べた。

 

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