昨年の学生横綱で幕下15枚目格付け出しの川副(23=宮城野)が、最後の7番相撲で勝ち越しを決めた。

西12枚目の北天海(23=尾上)と対戦。激しい攻防の末、最後は同じタイミングで落ちたが、川副の切り返しで軍配が上がった。「ホッとしました。支度部屋では自分の相撲だけと緊張感もなかったが、親も(熊本から)見に来てくれていたんで。いいところを見せたいなという思いになりました」。最高の親孝行となった。

166センチ、110キロの小柄で、1番相撲でいきなり大関経験者の朝乃山との対戦が組まれるなど、幕下上位で苦しみもあった。その中で勝ち越したのはさすがの地力。「(15枚目格)付け出しで負け越した人はいるのかとも思った。来場所は全勝、関取を目指します」。貴重な経験値を得て来場所に向かう。