近大3年の山崎勝磨(かづま、20)が、初となる全国優勝を果たした。決勝では昨年12月にアマチュア横綱に輝いた日体大4年の中村泰輝(だいき)と対戦。176センチ、158キロの自身を、身長で16センチ、体重も12キロ上回る相手に対し、思い切りぶつかり、そのまま寄り切った。

山崎は「世界大会でも活躍するトップの選手。胸を借りるつもりで全力でいけた結果。よかった」と念願の初タイトルに笑顔だった。

青森・三本木農業高時代は「(全国大会では)準決勝まで行くけど、決勝に行けなかった」。1学年上の中村とは2年時に2度対戦したが、「その時は手も足も出なかった」という。

再戦となったこの日は「ずっと活躍していたので(中村の)相撲は見ていた。自分ならどうするかなと考えていて、その思い通りにできた」と振り返った。

続けて「自分より相手が強い当たりをしたら吹っ飛ばされると思った。相手よりも思い切り当たろうと思った」と狙いを明かした。

4年越しのリベンジ。その要因はメンタル面での成長と口にする。「全国大会で強い選手を相手に、高校時代は弱気になっていた。今は絶対に勝とうというメンタル。全国大会でも活躍する同級生と切磋琢磨(せっさたくま)できているからだと思う」。

次に見据える目標は11月5、6日の全国学生選手権(国技館)だ。

「みんなインカレに向けて合わせてくる。そこで勝つことが大事」。

初優勝の20歳は、次のタイトルに照準を向けた。【波部俊之介】