「2ケタ勝利」が今場所のテーマとなる両関脇が痛い星を落とし、ともに4勝3敗となった。

10勝で大関復帰となる御嶽海(29=出羽海)は、小結霧馬山(26=陸奥)に左を差され、右の前まわしも引かれ一気の速攻で寄り切られた。先場所の11勝に続き、2ケタ勝利で大関への足固めにしたい若隆景(27=荒汐)は小結翔猿(30=追手風)と対戦。相手の動きを見るような相撲で終始、劣勢のまま反撃の糸口もつかめないまま押し出された。

御嶽海の敗戦について、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、まずは霧馬山を「力をつけたなという印象」と文句なしの攻めを評価。その上で御嶽海に「立ち合いのある欲があっての御嶽海。(8日目以降に向け)切り替えていくしかない。2ケタ勝っても来場所は大関。精神的に、もっと強くならないといけない。ここからでしょう」と精神面での立ち直りに期待した。

一方、若隆景については「攻めたのと(相手を)見てしまったとの違いでしょう」と端的に一番を分析。何が飛び出すか分からない翔猿の攻めに、若隆景が様子見のように受け身になってしまったことを推測。「安全に勝ちたいという気持ちがこの結果になった。どうしても安全に、と思って(相手を)見てしまう。体のない力士は難しいところだけど(自分は)動いてナンボだと、開き直って行くしかない」と若隆景の心情をくみ取りながらも、攻めの姿勢を貫くことをすすめるように話した。

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