「前大関」と「現大関」が苦しんでいる。

10勝で大関復帰の関脇御嶽海(29=出羽海)は平幕の若元春(29=荒汐)に寄り切られ、大関復帰には千秋楽まで6連勝が必要という4勝5敗と今場所初めて黒星先行。5度目のかど番で臨む大関正代(30=時津風)も小結大栄翔(29=追手風)に一方的に攻め込まれ、押し出しで敗れこちらも4勝5敗。上位戦が残される残り6番で4勝2敗が大関の座死守の条件となった。

御嶽海の敗戦について、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、対戦相手の若元春の心情を察するように「(御嶽海と相撲を)取る方も(御嶽海は)元気ないな、と思っている」と指摘。御嶽海については「弱みを見せてはいけないということだけど、気持ちで負けていますね」と現状を分析した上で「勝ち負けはいいから堂々と一生懸命やるんだと」と粘り強さを求めた。

正代についても「足からいかないと。足に力が入っていない」と指摘。「誰も(初日から)8連勝してかど番脱出とは思っていない。最初から厳しいのは分かっている」とした上で「精神的なものが相撲に影響する」と、こちらも精神的な強さを求めた。