日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会合が、大相撲初場所千秋楽から一夜明けた23日、東京・両国国技館で開かれた。

席上、八角理事長(元横綱北勝海)から横審に、両膝の内視鏡手術を受けリハビリ中のため初場所を3場所連続休場となった横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)の現状についての報告があった。高村正彦委員長(80)は「既にまわしを締めて四股を踏んだり、胸を出したりして、次の場所に備えているという報告がありました」と説明。その上で同委員長は「私の方から、ぜひできれば次の場所で万全な姿で出場してもらうことを期待してるけれども、今、横審として何か特別に重ねて発信するということはない。早ければ早いほどいいんだけれども、万全な姿でなるべく早く出てほしいと申し上げた」。中途半端な状態での出場は回避すべしの認識を示し「大変な手術をされたわけだから、期待はしているけれども、横審として次の場所に出ることを期待する、という話だとちょっと言い過ぎだと思っている」と、回復状況によっては春場所休場もやむなしの姿勢だ。

高村委員長は今回の会合をもって退任となり、後任には「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の議長も務めた山内昌之委員(75=東大名誉教授)が委員長に就任する。委員も退任する高村委員長は「任期の間に2人、横綱ができた。それは思い出に残っています。10年間、全体的に楽しかった」と振り返った。角界の現状や今後についての期待については「特に最近、相撲が面白くなった。私に言わせれば群雄割拠だし、厳しい親方に言わせれば、どんぐりの背比べということになるんだろうけど」と話し、横綱に諮問されるような力士を待望するように「もちろん期待します。だから、みんなのレベルが上がって、みんなが一生懸命取っているから、なかなか抜きんでないということがあるかもしれないけど、そういう中でも抜きんでるのが横綱。そういう人が早く出てきてほしいとは思います」と期待した。