大相撲の鶴竜親方(元横綱鶴竜)の引退相撲(6月3日、東京・両国国技館)チケットの一般販売が、2月1日午前10時からチケットぴあで始まる。平成時代(1989年~2019年)に誕生した横綱の引退相撲の最後を飾る。電話取材に応じた同親方は「平成という一つの時代が終わる感じがして、感慨深いです」としみじみと言った。

平成に誕生した横綱は旭富士(現・伊勢ケ浜親方)から稀勢の里(現・二所ノ関親方)まで10人にのぼり、いずれも現役を引退している。1月28日には歴代最多45回の優勝を誇る宮城野親方(元横綱白鵬)が引退相撲を終え、鶴竜親方より一足早くまげ姿に別れを告げた。大横綱の節目に接し、鶴竜親方は「自分の引退相撲もあっという間に来るんだろうな」とより一層実感したという。

4カ月後の節目に向け、体も徐々に仕上げていく。陸奥部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たる中で、年末ごろから稽古場でまわしを締めて四股踏みを再開。「上半身は盛り上がっているけど、引退してから足の筋肉が落ちた。四股踏みで体の張りを戻せたら」と話した。【平山連】

鶴竜親方との主な一問一答

-平成に誕生した横綱で引退相撲の最後を飾る

鶴竜親方 平成で最後かぁ。それは全然気づいてなかったです。本当に一つの時代の終わりになるなと思いますね。感慨深いですね。

-引退相撲の発表からここまで、どんな準備をされてきたか

鶴竜親方 引退相撲は一大イベント。自分で全部用意して、決めて、いろんな人の協力があって進んでいます。社会人として、いろんなこと勉強しながらやっています。

-引退相撲で構想していることは

鶴竜親方 例えばグッズにしても、おみやげにしても、どういうものにすれば喜んでもらえるか。ファンの人たちがどういうものを望んでいるか。来ていただいた方に最大限喜んでもらえることを考えていきたいです。

-宮城野親方の引退相撲では、報道陣の前で花束を渡された

鶴竜親方 (引退相撲に立ち会って)改めてお疲れさまでしたと思いました。自分の引退相撲がどんどん近づいてきたとも感じます。あと4カ月。あっという間に来ちゃう。たくさんの皆さんに来てもらえたら、本当に一番良いですね。やっぱりそれが花道というものだと思います。どれだけ多くの皆さんが現役時代に応援してくれたのかを、当日感じたいです。

-コンディションは

鶴竜親方 体の張りを作っていかないといけない。もう時間がないので、年末頃からは毎日まわしを着けるようにして運動しています。まずは久しぶりなので、四股踏んだりしています。体が少しずつ戻ってくれば胸を出したりしたいです。

-四股踏みは欠かせない

鶴竜親方 上半身はちょっとやればすぐに盛り上がってくるし、筋肉が残っていると思う。足の筋肉は落ちてきているけど、四股を踏めば戻ってくるんじゃないかな。ジムとかで鍛えたみたいにパンプアップするくらい、張りを出したいですね。

-体重は現役と比べてどうか

鶴竜親方 11、12キロくらい落ちましたね。最後の土俵入りの時に体がグラついたら恥ずかしいから、しっかり四股を踏んでいきたい。

-2月1日の一般チケット販売に向けてファンの方に一言

鶴竜親方 自分の最後のちょんまげ、最後の土俵入り、最後の相撲を取るという1日イベント。感謝の気持ちを込めて準備しています。

◆鶴竜力三郎(かくりゅう・りきさぶろう)本名・マンガラジャラブ・アナンダ。1985(昭60)年8月10日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。01年9月に来日し同年九州場所で初土俵。06年九州場所で新入幕、12年春場所後に大関、14年春場所後に横綱昇進。幕内優勝6回。三賞は技能賞7個、殊勲賞2個。21年3月に引退し、陸奥部屋付きの親方として後進の指導に当たっている。