日本相撲協会は27日、大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。

新入幕の北青鵬(21=宮城野)は、師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)とともに東京・両国国技館で会見。日本相撲協会の公式ホームページで、前日26日まで北青鵬の身長は「200センチ」だったが、この日、最新の計測結果を反映して「204センチ」に更新された。この結果、十両以上の公式計測が行われるようになった、1953年(昭28)9月場所以降、元横綱曙と並んで最長身の新入幕力士となった。

会見した北青鵬は新番付を見て「素直にうれしい。やっと来ることができました」と、笑顔で話した。20年春場所の前相撲で初土俵を踏み、1年半後の21年秋場所で新十両に昇進。だが「膝をケガして幕下に落ちて、4場所かかって十両に戻ったので『やっと』という気持ち。つらかった」と、振り返った。昨年7月の名古屋場所で十両に戻ってからは4場所全て勝ち越し。先場所は東十両2枚目で9勝を挙げ、宮城野部屋としては、現在の師匠に代替わりしてから最初の幕内力士誕生となった。「右でも左でも、上手を取って前に出る相撲を取りたい。次の目標は今年中に三役に上がりたい。将来的には、師匠のように横綱になりたい」と、相撲内容同様に、スケールの大きな目標を掲げた。

中学3年の1年間に28センチも伸びた身長は「もう止まってほしいけど、伸びているものは仕方ないので」と、現在も成長中だという。現在の宮城野部屋は、くしくも、かつて曙が在籍した東関部屋を、ほぼ当時のまま利用している。関取には個室が与えられるが、北青鵬が現在使っているのは、かつて曙が使っていた“出世部屋”。昨夏に現在の宮城野親方が部屋を継承し、縁あって現在の場所に部屋を移して以降、師匠からは「映像を見ておきなさい」と、曙の取組を見て研究するよう指導されてきた。

宮城野親方は「ちょうど部屋が旧東関部屋に宿舎を構えていますから、曙関みたいに身長があって、手足が長いので、組んでよし、離れてよしという力士になってもいいのかなと思っています」と、北青鵬の将来を期待した。これまで四つ相撲一辺倒だった北青鵬だが、最近は序二段や三段目の力士を相手に「難しい」と話しつつも、突き、押しの相撲を取る稽古も行っていることを明かした。突き、押しでも、四つ相撲でも、ライバルの若乃花&貴乃花の両横綱を退けた、全盛時の曙のような取り口が目標だ。

幼少期に宮城野親方に出会ったことが、相撲を始め、宮城野部屋に進むきっかけだった北青鵬。常々「幕内に上がって親方に恩返ししたい」と話してきた。ただ、北青鵬の潜在能力の高さを知るからこそ、宮城野親方は「まだまだ。勝ち越して、新入幕場所で2ケタ勝手三賞を取る。それが恩返しですよ」と、ハッパをかけた。歴代最多優勝45度の大横綱は、ビッグな愛弟子の活躍に太鼓判を押していた。