先場所で優勝した大関貴景勝(26=常盤山)の今場所での綱とりが、完全に消滅した。

春場所7日目の18日、日本相撲協会に「左膝内側半月板損傷」の診断書とともに休場届を提出した。前日6日目まで3勝3敗。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「再出場はしない。中途半端なことはせず、治療に専念させる」とし、残り全て休場の見通し。負け越しとなり、5月の夏場所(東京・両国国技館)は綱とりから一転、6度目のかど番で迎える。今場所は初日から横綱照ノ富士が休場しており、これで昭和以降では初めて横綱、大関が不在となった。

常盤山親方は「3日目の正代戦で痛め、6日目の御嶽海戦が長引いたことで悪化した。昨夜(17日夜)8時ごろ、治療から戻って私の部屋に来て『休場させてください』と言ってきた」と説明した。4日目から左膝にテーピングを施して出場。「本人はずっと『痛い』とは言わなかった」としたが、4日目以降の朝稽古は軽めだった。

初めて綱とりに挑戦した21年初場所は、左足首を痛めて途中休場した。場所前、場所中を含め、今月は取材に応じず土俵に集中していたが、またしても故障に泣かされることになった。今後は治療を最優先。4月2日から始まる春巡業は回復具合によって判断する。常盤山親方は「普通に振る舞っていたけど残念にきまっている。5月は自分の相撲を思い切って取れることを期待したい」と、弟子の復活を願った。7日目に対戦を組まれていた錦木は不戦勝となった。