大関経験者で平幕の朝乃山(29=高砂)が、平戸海との同期対決を制して1敗を守った。得意の右四つにはなれなかったが、積極的な攻めから好機をつかんだ。相手がバランスを崩したところを見逃さず、冷静にはたき込んだ。相撲内容には納得いかないものの、「うまく体が反応した。しっかり動いている」と状態の良さを強調した。

ともに16年春場所で初土俵を踏んだが、中卒たたき上げの平戸海が前相撲から始まったのに対して、朝乃山は近大時代の実績から三段目最下位格(100枚目)付け出しを得てデビューした。「同期生と当たるのは(デビュー場所で対戦した)豊山以来だと思う」と振り返りながら、新型コロナウイルス対策のガイドライン違反で6場所の出場停止処分中に番付を上げてきた同期の成長を実感。「同期生や歳が近い相手は自分も刺激になります」とうれしそうに言った。

10日目を終えて、横綱照ノ富士と並んでトップに立つ。今後予想される上位戦について、「自分の力がどれだけ通用するか楽しみ」と話した。【平山連】

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