西十両8枚目の落合(19=宮城野)が、十両優勝争いのトップを守る11勝目を挙げ、昭和以降最速に並ぶ所要3場所での新入幕に前進した。取組前まで3敗と好調の玉正鳳に快勝。立ち合いから左を差し、危なげなく寄り切った。前日11日目に直接対決で敗れた豪ノ山も勝ち、初の十両優勝へ、1敗で並んだまま残り3番に臨むことになった。所要3場所で新入幕を果たせば、昭和以降では遠藤に次いで2人目となる。

取組後は「動きのある相手なので組み止められてよかった。先場所のことは考えず、今日の取組に集中していた」と、冷静に話した。この日の玉正鳳は、先場所2日目に敗れた相手。デビュー場所は幕下で7戦全勝で、2場所目の先場所、プロ初黒星を喫した相手だった。

師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)には「落ち着いていけ」と、前日11日目の今場所初黒星から切り替えるよう助言を受けていた。落合も「負けたことは素直に悔しいけど、切り替えて、1日1日集中している」と、うなずいた。地元鳥取から大勢の応援が駆けつけていたことも「すごくうれしかった。力になった」と、気持ちの高まりを感じながら土俵に立っていた。

その鳥取からは、旧知のトレーナーも訪れ、ケアを受けている。「中日(8日目)から疲れが出ていたのでケアしてもらった。超回復しています」と、体も戻ってきた手応えは十分。場所前から、師匠が十両2場所目で十両優勝を果たした際の、12勝を目標として掲げてきた。その12勝に、あと1勝と迫った。「(12勝は)正直、意識しています。意識していますけど、その日の取組で、やるべきことを明確にして、まずはやるべきことをやっていきたい」。19歳らしからぬ落ち着いた口ぶりで、堂々と話していた。