横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が、3場所連続全休からの復活Vを果たした。結びで1差で追う関脇霧馬山との直接対決を寄り切りで制した。千秋楽を残して6場所ぶり自身8度目の賜杯。3場所以上続けて全休した横綱が優勝したのは、1989年初場所を制した北勝海(現八角理事長)以来34年ぶりのこととなった。

照ノ富士は昨年9月の秋場所で途中休場。翌10月に両膝の手術を受けた。再起へ懸命なリハビリを行い、復帰に向けて準備してきた。今場所は初日から負けなしの8連勝でストレート給金を達成。9日目に明生に金星を配給したが「引きずってもしょうがない」とすぐに気持ちを切り替えた。12日目に若元春を退け、8日目以来、今場所2度目の単独トップに立った。そして迎えた大一番で、朝乃山を物ともせず12勝目。22年夏場所以来の優勝へ大きく前進した。

「最後まで優勝に絡まないといけない」という横綱としての強い覚悟。今場所後の大関昇進が確実の霧馬山も下しての自力優勝を決め、満員の両国国技館で自身の復活を印象付けた。【平山連】