大相撲陸奥部屋の部屋付き親方の元横綱鶴竜親方が、弟弟子の晴れ舞台に立ち会った喜びを口にした。

31日、同部屋で行われた新大関霧馬山改め霧島の大関昇進伝達式に出席。6月3日に東京・両国国技館で開催される自身の引退相撲にモンゴル出身の後輩が約束通り新大関として花を添えてくれたことについて「本人がよく頑張った。有言実行してチャンスを生かしたことは素晴らしい」と感慨深そうに言った。

霧馬山が19年春場所で新十両に昇進してから半年後、先代井筒親方(元関脇逆鉾)の死去に伴い井筒部屋から陸奥部屋に移籍してきた。それ以来、弟弟子を土俵内外で指導。茶わん3杯のご飯を食べるまで付きっきりで監視したり、激しい稽古を行ったり。21年春場所限りで現役を引退した後は、部屋付き親方として出稽古に同行するなどサポートを続けてきた。鶴竜親方は「みんなに同じ事を教えているけど、それを素直に聞いて自分のものにした」とたたえた。

弟弟子が師匠の陸奥親方(元大関霧島)のしこ名を受け継いだことについて、「師匠がいるんで、なかなかしこ名では呼びづらい。本名とか、『大関』とかにしようかな」と苦笑い。角界の顔を張る地位についたが、まだまだ成長株の27歳。「目標は常に高く。これで満足することなく稽古に精進して、もっと上を目指してほしい。期待はもちろんするけど、やるのは本人ですから。自分の努力で呼び込んでいくのが大事」とエールを送った。