立行司の第41代式守伊之助が、結びの一番の琴ノ若-豊昇龍の一番で軍配差し違えをした。打ち出し後に、幕内後半戦の審判長を務めた審判部の粂川親方(元小結琴稲妻)とともに、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)の元を訪れ、進退伺を申し出た。

粂川親方によれば、同理事長からは「微妙な一番。正々堂々と(今後も)やってください」と慰留された。伊之助の差し違えは、今年5月の夏場所5日目以来で、19年初場所の昇格以降では11度目となった。

土俵際で豊昇龍が寄り立てたところで、琴ノ若が逆転の小手投げで応戦。伊之助は豊昇龍に軍配を上げたが、物言いがつき協議の結果、豊昇龍の足の甲が返っており、差し違えとなった。粂川親方によれば、協議では豊昇龍有利、琴ノ若有利、取り直し、判断できない-と意見が分かれたが、ビデオ室から肉眼では見きれない、豊昇龍の足の甲が返っている情報が入り、差し違えの判断となった。