大相撲の大関経験者で東前頭筆頭の朝乃山(29=高砂)が10日、12日初日を迎える九州場所(福岡国際センター)を初日から休場することを決めた。日本相撲協会に「左腓腹(ひふく)筋損傷により2023年11月9日より3週間の安静加療を要する」との診断書を提出した。福岡市の高砂部屋での稽古後に報道陣の取材に応じ、途中出場は未定としながらも「足が良くなって痛みが取れれば、出るつもり」と回復次第での出場に意欲を見せた。

10月下旬に広島市内で行われた秋巡業で左ふくらはぎを負傷。その後は2日1回病院に通って治療を行い、今では四股、すり足、てっぽうといった基礎運動ができるようになるまでには回復していた。歩行する分には問題はないが、相撲を取るなど実戦的な稽古は再開できていなかった。おとといの8日に師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)と話し合い、自らの意思で休場を伝えた。

「ここまで来たからには出場したかったですけど、大けがにつなかりかねないので」と悔しさをかみしめたが、まだ終わったわけではない。回復次第では「仮に負け越ししてても、出るつもりです」。場所が始まった後も稽古場に下りて調整をしていく決意を見せた。