幕内経験者で東幕下33枚目の照強(伊勢ケ浜)が、28歳最後の取組を白星で飾り、無傷の2連勝とした。東幕下32枚目の朝乃若を寄り切り。「中に入れば何とかなると思っていた。向こうが(立ち合いで)左に動くのが見えた。向こうは右を取ったら強いから気を付けた。勝ってよかった」。自己最高位の西前頭3枚目だった、20年9月の秋場所以来、3年4カ月ぶりに連勝発進とした。

阪神・淡路大震災が起きた95年1月17日に、震源地に近い兵庫県の淡路島で生まれた。毎年、地震が発生した早朝に、神棚に向かって黙とうしている。誕生日であると同時に、困難な状況にもかかわらず、生命を授かったことへの感謝、支えてくれた故郷に思いをはせる特別な日でもある。加えて今年は「1日に起きた地震(能登半島地震)の被災者もいる。被災された方々に(自分のような)こういう力士もいると知ってもらい、ちょっとでも励みや力になれば。今はしんどい、しんどいに、なっていると思うけど、話題の1つにでもなれば」と、一段と、大規模な地震、それに苦しむ人々に思いをめぐらせた。

故郷には「たまに戻っています」といい「みんな応援してくれる」と、変わらず心の支えとなっている。もともと小兵だが、幕内のころよりも15キロほど体重が減って「今は100キロあるかないか」という。糖尿病の影響で乱れていた血糖値も「ちょっとずつ回復している」といい、気持ちも前向きだ。大きく下げた番付を少しでも戻し、故郷から最も近い大阪で行われる、3月の春場所につなげるつもりだ。