スタジオジブリの新作映画が、家の床下に住む身長10センチの少女と、12歳の少年の淡い恋を描いた「借りぐらしのアリエッティ」に決まり、16日に都内で発表された。ジブリ作品の監督としては最年少の米林宏昌監督(36)が手がけ、宮崎駿監督(68)は企画と脚本を担当する。来年夏公開を予定している。

 映像でメッセージを寄せた宮崎監督は「チャレンジって言うとかっこいいけど、チンチロリン勝負、賭けだよね。でも、嫌なやつだったらやらせません」と、愛情たっぷりにハッパをかけた。鈴木敏夫プロデューサーは「宮さんが『崖の上のポニョ』から連投(で監督を)するのもありだったが、若い人がやるのはいいのではと急きょ決めました」と説明した。

 原作は53年に出版された英国のファンタジー小説「床下の小人たち」。宮崎監督が40年前に読んで印象に残っていた作品で、舞台は現代の日本に移した。2人の老婦人が住む家の床下に、妖精でもなく魔法が使えるわけでもない身長10センチほどの家族が住んでいた。人間に見られてはいけないおきてがあったが、14歳のアリエッティは、病気療養で引っ越してきた12歳の少年に姿を見られてしまうというストーリー。19日から全国劇場で予告編が流れる。