女優浅丘ルリ子(70)が、主演映画「デンデラ」(天願大介監督、6月25日公開)を撮影中の山形・庄内映画村で日刊スポーツの取材に応じた。日活で一時代を築いた大物スターが、初めて“すっぴん”を披露。老婦人50人が極寒に耐え、懸命に生き抜く姿を描いた異色作で、口減らしのため、雪山に捨てられた老婦人カユを演じている。

 -この役をやると決めるまでに悩みましたか

 浅丘

 これまでで一番迷いました。雪の中で、体力が持つかどうか。でも自分の年齢と同じ70歳の役をできるのは、今しかない。知人の方々にも台本を読んでもらって、(俳優の)近藤正臣さんに「この話は面白い。ルリさんは、やった方がいいと思います」と言われて、決めました。

 -雪山では過酷な撮影だと思いますが

 浅丘

 こんなにすごいとは思いませんでした。雪が吹き荒れると、防風のビニールがバタバタと鳴るんですよ。寒さもすごいですけど、スタッフの方がマントを着せてくれたり、カイロを当ててくれたり、助けてもらってます。

 -体は大丈夫ですか

 浅丘

 この前は足をやっちゃって…。メーク室を出た時に滑って、だんだん痛くなって。次の日に病院に行ったら、足に水がたまってた。こんなこと、生まれて初めて。

 -すっぴんでの撮影はいかがですか

 浅丘

 目張りを入れないのは初めて。裸でいるみたい。あかぎれや雪焼けのメークだけ。いつものきれいにする化粧じゃない。すっぴんはこれで封印です。

 -今回の撮影を乗り切れば、女優を続けられる自信になりそうですね

 浅丘

 手ごたえはあります。80歳ぐらいまでは、ほそぼそでもいいから。今回の共演の皆さんでは、最年長は83歳。その方も元気です。舞台の出演は毎年決まっているので、やれるものはやり続けたいです。