「笑点」の新メンバーが立川晴の輔(51)に決まりました。実は晴の輔はこれまでも新メンバー「候補者」として名前が挙がっていました。2年前の林家三平の後任は桂宮治、昨年亡くなった三遊亭円楽さんの後は春風亭一之輔に決まりましたが、その時のいろいろな媒体の事前予想に晴の輔の名前がありました。

その理由は、所属する「落語立川流」にあって師匠立川志の輔にじっくりと鍛えられた実力派であること、BS日テレの「笑点 特大号」の若手大喜利に出演しており、同じメンバーだった宮治とはしのぎを削った仲だったことでした。さらに、晴の輔の持ち味は高座を華やかにする「明るさ」です。勇退した林家木久扇の「おバカキャラ」とは違いますが、その「明るさ」が「笑点」に新しい風となって吹くことが期待されています。

もっと言えば、晴の輔が「落語立川流」に所属することも、抜てきの1つの理由かもしれません。66年に始まった「笑点」の初代司会者は立川談志さんでした。しかし、番組作りの方針を巡って、局側と対立し、69年に司会をやめた経緯があります。その後、大喜利メンバーは何人も変わりましたが、談志が創設した「落語立川流」からの加入はありませんでした。19年に病気休養した三遊亭円楽さんの代演として晴の輔が登場した時は、50年ぶりに「立川流」の落語家が「笑点」に出演したと話題になりました。その時、晴の輔は「落語立川流という暗黒団体からやって参りました」と自己紹介して、笑いを誘いました。晴の輔のメンバー入りで、都内にある「落語協会」「落語芸術協会」「五代目円楽一門会」「落語立川流」の落語4団体のメンバーがそろうことになります。今後の「笑点」で晴の輔がどんなカラーを打ち出していくのか。ちょっと楽しみです。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

日本テレビ系演芸番組「笑点」の新メンバーとなった立川晴の輔
日本テレビ系演芸番組「笑点」の新メンバーとなった立川晴の輔
日本テレビ系演芸番組「笑点」の新メンバーとなった立川晴の輔
日本テレビ系演芸番組「笑点」の新メンバーとなった立川晴の輔