4月から日本テレビ系深夜枠で連ドラ化されるということで、14年夏に発売された書籍「頭に来てもアホとは戦うな!」(田村耕太郎氏著)を入手。

「アホと戦うのは人生の無駄」という刺激的なタイトルの第1章から始まる、実践的人間関係テクニックなどが記されたビジネス本なのだが、入手した本の帯には「65万部突破」(最新部数は不明)と書かれているから、すごい売れ行きである。

最初は面白がって読み始めたが、次第に、同書でいう「アホ」が自分自身にも該当する可能性を考え始め、次第に内容が頭に入らなくなる
最初は面白がって読み始めたが、次第に、同書でいう「アホ」が自分自身にも該当する可能性を考え始め、次第に内容が頭に入らなくなる

そもそも書籍のタイトルに「アホ」というワードを入れる時点で、かなり「勝負に出ている」印象なのだが、気になって調べてみると、身の回りにいる一部の人たちを「アホ」あるいは「バカ」などと定義した上で、その人たちの実態や対処法などを記した「アホ本」「バカ本」はけっこう出版されていた。ざっとあげるだけでも…


・「バカとつき合うな」(堀江貴文氏、西野亮広氏著)

・「『バカの人』相手に感情的にならない本」(和田秀樹氏著)

・「気が小さくても立場を悪くしても職場のアホを撃退できる!都合のよすぎる方法」(イェンツ・ヴァイドナー氏著)

・「スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術」(ロバート・I・サットン氏著)

・「バカ上司の取扱説明書」(古川裕倫氏著)

・「すぐ『決めつける』バカ、まず『受けとめる』知的な人」(安達裕哉氏著)・「バカ部下を使いこなす技術」(樋口裕一氏著)

・「学はあってもバカはバカ」(川村二郎氏著)

・「バカの人 その傾向と対策」(和田秀樹氏著)

・「忖度バカ」(鎌田實氏著)

・「アホな上司のもとで働く21の法則」(長野慶太氏著)

・「バカ論」(ビートたけし氏著)

・「バカになったか、日本人」(橋本治氏著)

・「カイシャの3バカ 会議好き、規則好き、数字好き」(榎本博明氏著)

・「バカざんまい」(中川淳一■(■は郎の旧字体)氏著)


…など、かなりの数が出版されている。

「バカ」という刺激的なワードがタイトルに入った本としては、03年に発売された「バカの壁」(養老孟司氏著)が440万部超の記録的ベストセラーになった。

「アホ」「バカ」という言葉が入った書籍が多数出版されたり、一部がかなり売れたりする背景には、それだけ自身の身の回りや会社などに「アホ」「バカ」などと称したくなるような困った存在がいて悩んでいる…という人が一定以上の割合でいる、という事情があるのかもしれない。

ただ一方で、やたらとすぐ他人を「アホ」「バカ」などとののしる傾向がある人も多く、そうした人の中には、それによって「他人を“バカ”と断じることができるほど、俺は頭がいい」と暗示的にアピールしようとする人物も時折いるから、要注意だ。

「アホ」「バカ」という表現は使わないが、ちなみに筆者の場合、いわゆる「困った人」「嫌な人」に対するテクニックとしては「その人のことを1秒も考えない。その人について、あれこれ考えそうになった瞬間、脳内でその思考を即シャットダウンする。その人の過去発言や、容姿のビジョンなども脳内で一切、再生せず、万が一“脳内自動再生”が始まってしまった場合、別の楽しい考え事で一気に“強制上書き”する」という手法を以前から用いており、慣れるとけっこう有効だ。

ただ、最後に念を押しておきたいが、筆者自身も「あのアホデスク」「あのバカデスク」などと周囲に糾弾されまくっていることは、常に自覚している。【文化社会部・Hデスク】