今春以降、在宅時間が長くなったことで、テレビをつける時間も比例して増えている。

しかし、テレビのスイッチを入れた瞬間、ニュースやワイドショーや情報番組が流れていれば、「このニュースをうちの社はすでに把握しているのか」だとか「把握しているとしたら、さらに新しい情報はないのか」だとか「そういえばこのニュース番組のメインキャスターの番組降板情報はなかったか」などという「芸能デスク脳」思考が反射的に沸き起こり、すぐ“仕事モード”になってしまう。

画面に映ったのがバラエティー番組だとしても「出演している○○(例えばお笑い芸人)が突然、熱愛を告白したりしないだろうか」(※実際、バラエティー番組でタレントがニュース性のある発表や発言をすることが目立っている)とか「出演者の中に最近、不倫騒動が報じられたタレントはいないだろうか」などと、これまた“芸能デスクモード”に入ってしまいがちだ。

ドラマだったとしても「前回の視聴率は何%だったか?」「主演女優に、最近交際が報じられている相手はいただろうか?」などと同様に身構えてしまうため、正直最近、自宅でテレビのスイッチを入れる際、よく分からない緊張感に包まれるという妙な症状が起きつつあり、非番の日でも気が休まることがなかなかない。

そうした状況の反動として、このような芸能デスクモードになる可能性が極めて少ないであろう番組を最近、事前にネット番組表などでチェックし、それを視聴するのがささやかな楽しみになってきた。というか最近、テレビをつけていて心から安らげるのは、そうした番組くらいしかなくなっている。

例えば本日以降の数日間で個人的にマークしている番組は…


<1>NHKBSプレミアム「アジア自然紀行『マングローブの生きものたち~インドネシア・ボルネオ島』」(29日午前2時20分=28日26時20分の意です)

<2>NHKBSプレミアム「美景・絶景 日本列島再発見『東北編』」(29日午前2時半)

<3>NHKBS1「沖縄 慶良間諸島」(29日午前3時16分)

<4>NHKBS1「美しき世界の山々『スイス・アイガー』」(30日午前2時29分)

<5>NHKBSプレミアム「美景・絶景 日本列島再発見『関東・中部編』」(30日午前2時半)

<6>NHKBS1「北アルプス空中散歩」(30日午前3時)

<7>NHKBS1「日本夜景めぐり『中国・九州』」(30日午前4時)

<8>NHKBSプレミアム「美景・絶景 日本列島再発見『九州・沖縄編』」(31日午前2時半)

<9>NHKBS1「空からクルージング特別編『フランス・ロワール川を下る』」(31日午前3時)

<10>NHKBSプレミアム「大河アマゾンを行く」(31日午前3時)

<11>NHKBS1「日本夜景めぐり『イルミネーション・花火』」(31日午前4時)

<12>NHKBS1「雪の魔法」(31日午前2時)

<10>NHKBSプレミアム「さわやかウインドー『晩秋 越前海岸』」(11月1日午前2時半)

<11>NHKBS1「北アルプス 美の点猫」(1日午前3時)

<12>NHKBSプレミアム「ナイル源流を行く」(1日午前3時)

<13>NHKBS1「水・族・館『八景島シーパラダイス』」(1日午前4時)


…といった感じか。

書き出してみるとすべてがNHKBSの番組でかつ、深夜~明け方にかけての放送。それだけに、例えば30日午前2時半以降など「美しき世界の山々」と「美景・絶景 日本列島再発見」がBS1とBSプレミアムで放送時間がかぶるなど、期待の番組が時々バッティングするのが小さな悩みといえば悩みだ。

また、すでに見ており録画もしているので前述リストには書かなかったが、本日だと、NHKBSプレミアムで午後10時14分から再放送される「“美ら海”ドローン大航海~八重山・宮古の島々へ~」は極めて秀逸な番組だった。

海洋冒険家の八幡暁氏がシーカヤックで八重山の島々や宮古諸島をめぐり、ドローンなどで撮影した海や自然の驚異的な絶景が流れるのだが、西表島密林の貴重な植物や生物、紹介されることが少ない多良間島、そして日本最大級のサンゴ礁・八重干瀬(やびじ)の映像まで放送され、“離島マニア”にはたまらない圧巻の内容で文句なくおすすめ。

本文とは直接的関係がない青森・奥入瀬渓流付近の写真。要はこの種の映像が24時間流れ続ける局を心のどこかで欲している
本文とは直接的関係がない青森・奥入瀬渓流付近の写真。要はこの種の映像が24時間流れ続ける局を心のどこかで欲している

と、ここまで書いてきて何げなくテレビのスイッチを入れるとワイドショーが民放2局で流れており、午後4時台は同3局での夕方報道番組時間帯になるため、粛々と仕事モードに戻るか、“我が道をゆく”テレビ東京「よじごじDays『家で本格中華&和食!名店が教える料理教室』」を見るか、少々迷っているところ。【文化社会部・Hデスク】