動物のヒョウの写真を車体にラッピングした電気自動車が大阪の街を縦横無尽に走り回っています。大阪市を廃止し、4特別区を設置する「大阪都構想」の是非を問う住民投票(11月1日投開票)を呼び掛ける啓発カー「行こう! 投ヒョウ号」です。強烈なインパクトに浪速っ子は、びっくりです。

選挙戦中盤、大阪・梅田の繁華街。投ヒョウ号が停車すると、スマートフォンを持った若者が集まってきました。車体にはヒョウの顔面アップ、悠然と歩く姿の写真がラッピングされています。

ツイッター、Facebook(フェイスブック)などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では、投ヒョウ号の画像とともに「めちゃ、かわいいやん~」「うれしくなって思わずパシャ」と好意的な投稿から「なぜ虎? 阪神タイガースを意識したのでしょうか?」などの勘違いまで、賛否両論です。

大阪市選挙管理委員会の担当者によると、投ヒョウ号は職員の案から誕生したそうです。約70案から選ばれたのは、投票の「票」にかけて、動物のヒョウを啓発のキャラクターにし、「行こう!投“ヒョウ”」というキャッチフレーズを決定。電気自動車にヒョウをデザインしました。

担当者によると「シンプルで見た目もインパクトがある」という理由で選ばれたそうです。派手なヒョウ柄と言えば、ちりちりパーマの「大仏パーマ」、「飴ちゃん」とともに大阪のおばちゃんのトレードマーク。大阪のおばちゃんを意識しているのでしょうか? 「そこを意識しているわけではありません」と担当者。

インパクトがありすぎるため、賛否の声も多く寄せられています。「税金を使ってなにしてんねん」「バカにしているのか?」とのお叱りから「インパクトがあってええやん」「大阪は目立ってナンボ」と賛成の声も寄せられています。

投ヒョウ号は、1人乗り電気自動車をベースに作られた啓発カー。投票日まで平日は2台で4ルート、土日は4台で2ルートを巡回しています。

担当者は「大阪市の今後を決める大事な選挙です。コロナ禍でも、投票で自分の意思を示すのは大切なことなので、1人でも多くの人に投票に行ってほしいです」と呼び掛けます。

ちなみに、投ヒョウ号は足元のホイールまでヒョウ柄でした。攻めてます。前回の15年5月の大阪都構想の住民投票では投票率は66・83%。今回の“ヒョウ効果”はいかに? 担当者らは“開ヒョウ”が待ち遠しい?

【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)

大阪市内で大阪都構想の住民投票の投票を呼び掛け啓発カー「投ヒョウ号」(撮影・松浦隆司)
大阪市内で大阪都構想の住民投票の投票を呼び掛け啓発カー「投ヒョウ号」(撮影・松浦隆司)
大阪市内で大阪都構想の住民投票の投票を呼び掛け啓発カー「投ヒョウ号」(撮影・松浦隆司)
大阪市内で大阪都構想の住民投票の投票を呼び掛け啓発カー「投ヒョウ号」(撮影・松浦隆司)