社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」が恒例の大阪新春公演を来年1月15日に大阪市北区のサンケイホールブリーゼで行うことになり、先日、山本天心(59)が扮(ふん)する「スガ前総理」、浜田太一(57)の「キシダ首相」が大阪市内で会見しました。衆院選(31日投開票)は当初の「自民圧勝」の状況が一変。各社の情勢調査では自民党が単独過半数を維持できるかが焦点となっています。

この状況をどうみているのか? スガ前総理に聞いてみました。

「秋ですね。食欲の秋です。食べ物が本当においしい。とくにご飯ですね。ああ、『冷や飯』がおいしい」

会見のつかみで笑わせたスガ前総理が続けます。

「私とキシダ政権の大きな違いは、私の場合、内閣支持率が7割台の高支持率で始まりました。キシダ政権は4割台。でも、安心してください。世間では、キシダ政権は安倍シンゾウ元首相、麻生タロウ自民党副総裁、甘利アキラ幹事長の『3A』の傀儡(かいらい)なんて言われているそうですが、そんなことはありませんよ。3Aは3人の頭文字なんかじゃありません。『危なげない』『安定した』『操り人形』。支持率は低いですけど、安定した政権が続く。私はこう思います」

衆院選では自民党が伸び悩み、苦戦が伝えられています。

「答えは1つです。河野タロウじゃなかったからです。いま自民党は単独の過半数割れが指摘されていますが、河野タロウだったら盤石だった。私はこう思います」

スガ前首相は総裁選には不出馬でしたが、熱く語ります。

「いま、日本の総理は自民党から出ます。自民党が民意を吸い上げるためには、党員、党友の声を一番、聞かなければいけない。その『民意』を反映しなければいけないのが国会議員。それが、どこかは分かりませんが、国会議員にねじ曲げられている。ここが変わらない限り、本当の民主主義じゃない。私はこう思います」

初心者マークを持参して会見に同席したキシダ首相は「だ~れだ?」と自己紹介し、「ハッキリ言って不満? 私は不安です」と“現状報告”した上で、ちょっと待ったをかけました。 「今回のことにつきましては、国民の声を聴いたから、私が自民党総裁に選ばれたんですね。もし河野さんになったら自民党は変わってますか? 国民の声として、どうせ自民党は変わらないだろうとなっていたはず。その通りです。私がやったから、安倍さんを継承して、変わらずにいられたんですよ」

反論されたスガ前総理の手元に原稿はありませんが、口調は滑らかです。

「小泉政権を振り返ってみてください。小泉さんが『自民党をぶっ壊す』と言ってたときは、自民党が本当にダメになっていたときだった。本当にぶっ壊さなければいけないとなっているときだったから、民意が反映された。だからあれだけ高い支持率になった」

来年1月15日の大阪公演について「内容はわかりません。世の中の流れを反映するのがニュースペーパーです」。最も注目度の高い時事ネタで勝負するそうです。大阪公演で本格的な“デビュー戦”となるキシダ首相は「続いていれば、ですけどね」とオチをつけました。小泉純一郎元首相も好んで使った言葉があります。

「政界、一寸先は闇(やみ)」

【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)