櫻坂46が、明日9日に改名後初のシングル「Nobody’s fault」で再び“デビュー”を果たします。カップリングの「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」でセンターを務める藤吉夏鈴(19)は、不思議なオーラをまとう新世代。今日8日午後7時30分からは、全国の映画館でデビューカウントダウンライブをライブビューイングで上映。見る者を引き込むパフォーマンスを披露します。

「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」でセンターを務める櫻坂46の藤吉夏鈴
「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」でセンターを務める櫻坂46の藤吉夏鈴

表題曲「Nobody’s fault」は森田ひかる(19)がセンターだが、カップリング曲によって藤吉と山崎天(15)がセンターに立つ。欅坂46時代にはなかった新システムが導入された。「最初に聞いた時は、客観的に見て、素直に面白そうだなって思いました。今までそんなことは想像できなかったので」と振り返った。

「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」のミュージックビデオ(MV)撮影当時について、「センターだから不安とか、プレッシャーとか、そういうことを感じる前に、こう、なっちゃってました」と両手を顔の横に広げ、視界を狭めた。「集中しすぎると、周りが見えなくなっちゃうタイプなんです。後から思い返すと、全然見えなくなっちゃっていたなぁ、と…」と明かした。

「練習の時から、意識がどこかに飛んでいたのかもしれません。その後の(カップリング曲)『Buddies』のMV撮影の記憶もほとんどないです」 いわゆる「ゾーンに入る」状態かと聞かれると、「そんな大層なものじゃないです」と謙遜した。「いつもメークさんとかには『ぼーっとしているのか、集中しているのか分からない』って言われます」と笑った。ダンスチームの先生からは、「作りすぎるより、自由にやったほうがいいよ」とアドバイスされるという。独特のオーラは、身近なスタッフでさえも計り知れない可能性を秘めている。

櫻坂46の藤吉夏鈴
櫻坂46の藤吉夏鈴

「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」は、欅坂46時代にはなかったような、疾走感ある恋愛ソングだ。「こんな恋愛の曲は想像していなかったので、歌詞が来た時はすごくびっくりしました」。MVでは、少女らしい無邪気な表情や、キレのあるダンスも見せている。「主人公の気持ちの変化を、ライブでも表現したいです」と意気込んだ。

18年11月に二期生として加入。欅坂46としては、シングル制作への参加機会は少なかった。「この前CDの完成形を見ました。ジャケット写真に自分が載るのが初めてなので、お店に並ぶのが想像できないし、緊張します」と話した。

異例の改名直後のNHK紅白歌合戦出場も決まった。「いつかは出られるように頑張ろうね、ってみんなで話していたので、まさか出られるとは思っていなかったので、すごくびっくりしました。最初に聞いた時は、リアクションできませんでした」と振り返った。「特に親がすごく喜んでくれて、うれしかった。少しでも皆さんの記憶に残るようなパフォーマンスをしたいです」と力を込めた。

櫻坂46の藤吉夏鈴
櫻坂46の藤吉夏鈴

走りだしたばかりの櫻坂46で、新しい「顔」となるメンバーの1人だ。「毎日一生懸命活動していく中で、櫻坂の良さをたくさん見つけていきたいです」。まずはデビューカウントダウンライブに全力で臨む。シングル収録の7曲を披露する予定。「せっかく違う3人がセンターを務める曲があるので、3つの違う雰囲気を出せるように頑張りたいです」。未完の大器が、新たな歴史を築く。【取材・構成=横山慧】

◆藤吉夏鈴(ふじよし・かりん)2001年(平13)8月29日、大阪府生まれ。中学時代吹奏楽部の部長だった。18年8月、坂道合同オーディション合格。165・1センチ。血液型A。