乃木坂46中村麗乃(21)が、東京・帝国劇場で上演中のミュージカル「Endless SHOCK」に、ヒロインのリカ役で出演している。

堂本光一(44)主演の歴史ある作品。かつて同じリカを演じた憧れの女優への思いも胸に、ステージで躍動している。【横山慧】

帝国劇場のステンドグラスを背に、笑みを浮かべる乃木坂46中村麗乃(撮影・浅見桂子)
帝国劇場のステンドグラスを背に、笑みを浮かべる乃木坂46中村麗乃(撮影・浅見桂子)

00年から1900回以上上演している「SHOCK」シリーズへの出演は、オーディションで勝ち取った。「去年の夏のツアー中にオーディションのお話をいただいて。ぜひ挑戦してみたいと思いました」と振り返った。芝居や歌唱、ダンス審査を経て、黒木メイサ(34)松本まりか(38)ら多くの有名女優が演じてきたリカ役に決まった。

ただでさえ新キャストの中村にとっては大きな挑戦だが、特に今年はシリーズ初、スピンオフ作品「Endless SHOCK -Eternal」との2作同時上演だ。「そもそも舞台で台本が2冊あるのが初めての経験なので、戸惑いました。最初の稽古はガッチガチに緊張して、記憶があいまいです」と明かした。それでも、共演者たちに助けられたという。

帝国劇場のステンドグラスを背に、笑みを浮かべる乃木坂46中村麗乃
帝国劇場のステンドグラスを背に、笑みを浮かべる乃木坂46中村麗乃

「皆さんが温かく迎え入れてくださったので、距離が縮まりました。前田美波里さんはいつも『ちゃんと食べてるの?』って、本当のお母さんみたいに声をかけてくださいます。やっぱりスターはすごいな! って思います」

特に、アイドルの大先輩でもある光一の立ち居振る舞いに刺激を受けている。「とんでもない分量を抱えていらっしゃるのに、演出もされていて、周りを見る余裕もある。プロフェッショナルな部分をたくさん感じています」と驚嘆した。

憧れの女優への思いもある。12年の「Endless SHOCK」でリカを演じた神田沙也加さんだ。「ずっと好きでした。あの黄色いドレスとか…神田さんと同じ衣装に袖を通して、同じ曲を歌って。その事実だけで幸せというか、本当に光栄なことです」とかみしめた。「ずっと憧れていた方が出ていた作品だというのは、頑張らなきゃなっていうモチベーションにもなります」と話した。

帝国劇場のステンドグラスを背に、ポーズをとる乃木坂46中村麗乃(撮影・浅見桂子)
帝国劇場のステンドグラスを背に、ポーズをとる乃木坂46中村麗乃(撮影・浅見桂子)

4月9日から5月31日まで上演。「この帝国劇場で2カ月もやれて、しかもそれが歴史ある『SHOCK』。なんてぜいたくなんだろう、って思いながら過ごさせてもらっています」。チケットは即日完売。「やっぱり光一さんや『SHOCK』のファンの方が多いと思うので、『この子、乃木坂なんだ』って乃木坂を知ってもらうきっかけになれれば」とほほ笑んだ。

3期生として16年9月に加入し7年目。舞台を中心に演技経験を積み、昨年は乃木坂46のアンダーライブで座長も務めた。「つい2年前には、こんな未来は全く想像つきませんでした。人生どうなるかわからないですね」と笑った。

帝国劇場のステンドグラスを背に、大人びた表情を見せる乃木坂46中村麗乃(撮影・浅見桂子)
帝国劇場のステンドグラスを背に、大人びた表情を見せる乃木坂46中村麗乃(撮影・浅見桂子)

「先輩方が卒業されて3期生が引っ張っていかなきゃってタイミングで、こうした大きい作品に携わらせていただけたのは、私の中でもターニングポイントになると思います。とにかくしっかりと務め上げて、グループに帰った時にもっと上に上がっていけるように頑張っていきたいです」

歴史ある帝国劇場のステージで、潜在能力が覚醒する。

◆中村麗乃(なかむら・れの)2001年(平13)9月27日、東京都生まれ。愛称「れの」「れのちゃん」。「逆転裁判」「SUPERHEROISM」「夜明けのうた」などの舞台に出演。167センチ。血液型不明。