20日に定例会見を行ったNHK木田幸紀放送総局長が、サッカーワールドカップ(W杯)日本対コロンビア(19日)での大迫勇也選手のプレーを「半端ないヘディングシュート」と実況した鳥海貴樹アナウンサーについて評価した言葉です。

 「大迫半端ない」は、大迫ファン、サッカーファンにはおなじみのフレーズ。日本語の指針であるNHKから飛び出した臨機応変な「半端ない」にネットも好意的な大フィーバーとなり、木田総局長の表情も明るいものでした。「『半端ない』に関しては、映像でも(サポーターの)応援幕を抜いていましたからね。鳥海アナウンサーはとっさに見て考えたと思う」。視聴率48・7%、最高視聴率55・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)もの人がNHKを通して「半端ない」に接することになりました。

 好評を肌で感じ、NHKも一気に「半端ない」推しという印象です。「『半端ない』はアナウンサー用語として正しいのか」というなごむ質問を受け、総局長は「陪席にアナウンス部長がいないので分からないが、普通は『半端じゃない』と言うのかな」とリップサービス。アナウンス部に確認に走った広報は、口頭ではなくA4のペーパーで公式見解を出すという、いかにもネットニュース向きな第2波を発信しました。

 サッカーファンには定着している言葉であるとし、「客席でサポーターが『大迫半端ない』という旗を掲げた様子が映像で紹介されたのにあわせて、そのプレーの技術の高さ、パフォーマンスのすばらしさをたたえる意図でコメントしました」。この文面に、ネットでは「NHKのきまじめさも半端ない」とハッピーな盛り上がり。その日のNHKのニュース番組は、アナウンサーも画面テロップも「半端ない」が飛び交いまくるお祭り状態でした。

 下馬評を覆す初戦勝利の翌日だっただけに、この時の定例会見は総局長も取材各社もなんとなくなごやか。やはりスポーツの快進撃は、空気を明るくする大きなパワーがありますね。その大迫選手はセネガル戦でもフル出場の活躍でした。決勝トーナメント進出をかけた次のポーランド戦も、日本代表の「半端ない」プレーに期待したいと思います。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)