民放10月改編が出そろった。開局以来初のバラエティー無改編となったフジテレビをはじめ、各局が小規模な改編にとどまる中、レギュラー3本増で秋改編の目玉となっているのがウエンツ瑛士(36)だ。

昨年3月の「火曜サプライズ」(日本テレビ系)終了で一時はレギュラー番組消滅も経験したが、「唯一無二の存在」と編成マンの信頼は厚い。

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ウエンツがMCを務める各局の10月新番組は以下の通り。

◆TBS系「~通しか知らない究極の1日~熱狂!1/365のマニアさん」(10月14日スタート、金曜午後8時)※東京03飯塚悟志とのダブルMC

◆テレビ朝日系「朝メシまで。」(10月15日スタート、土曜深夜0時半)※アンジャッシュ児島一哉とのダブルMC

◆テレビ東京系「日経スペシャル 60秒で学べるNews」(10月19日スタート、水曜午後9時)

今回の民放改編でGP帯(午後7時~11時)に登場したバラエティー新番組は、リニューアルや枠移動を除くとわずか4本(日テレ1、テレ朝1、TBS1、テレ東1、フジ0)。5局中3局の編成部長が新任で、具体的なカラーを打ち出すのは来年の4月改編以降になるためとみられる。そんな4本のうち、2本をウエンツが占めた。テレ朝深夜枠を含めると3本のレギュラーがスタートすることになった。

中でもテレ東が「改編の目玉」として猛プッシュしている「60秒で学べるNews」では、報道番組MCに初進出する。「知るということをおもしろく思ってくれるのは僕たちの考え方と一緒」(清水昇プロデューサー)と信頼を寄せられ、ウエンツ本人も「特に大事にしたいのは、現場で起きていることや現場の方たちの心境など。現場の経験がないからこそ、多くのことを吸収しながら学んでいきたい」と、新たな挑戦に意気込んでいる。

ウエンツといえば、18年9月に国内での活動休止を発表し、1年半にわたり英ロンドンに留学して話題になった。20年に帰国し仕事復帰したものの、昨年3月に日テレ系「火曜サプライズ」が終了し、一時はレギュラーを失うことになった。最終回では「自分の実力不足だなって思う」「必ず、また力をつけて皆さんと番組ができるように、しっかりリベンジを必ずするので待っていて欲しい」と心境を語っていた。

TBSの「マニアさん」も、テレ東の「60秒で学べるNews」も、出演した単発放送が好評だったことを受けてのレギュラー化。文字通り「力をつけて」茶の間に戻ってきたことになる。

プロデューサー時代からウエンツと長く仕事をしてきたというテレ朝の奥川晃弘編成部長は、ウエンツの魅力について「コメント力、回しの能力、アイドル出身のスター性。唯一無二の存在と考えている」。持ち前のスキルで秋のバラエティー界をどう盛り上げていくのか、期待したい。【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)