歌手池田輝郎(63)が28日、東京・江東区文化センターで、デビュー10周年記念コンサートを行った。

 29歳で始めた民謡で全国的に活躍し、地元の佐賀県では知られた存在だった。やがて、九州を中心に演歌歌手としても活動をスタートしたが、54歳の時に念願のメジャーデビューにこぎ着けた。「あの時は、まさか10年もできるとは思っていなかった。ここまできたら15年、20周年まで頑張りたい」。

 還暦を過ぎても、民謡で鍛えた声の伸びや張りは健在だ。「高い声は出なくなったが、年齢を重ねて味が出てきたよ」と自信を見せた。体力の維持にも余念がない。ボウリングはパーフェクトを出したほどの腕前だが、現在は「それほどやっていない。歩くことで体力を付けています」という。

 この日は約500人のファンに、デビュー曲「湯の里しぐれ」や新曲「両家良縁晴々と」など25曲を披露。同じ所属事務所の山内恵介や野村未奈も応援に駆けつけて10周年に花を添えた。

 今月16日、熊本地震の時には地元にいて、25日に佐賀で予定していたコンサートは延期した。「今はすごく大変な時期。復興の兆しが見えてきた時に行いたい」と話した。